コラム 基礎知識編
今更聞けないクラウドサービス
2023年6月18日
クラウドとは?
「クラウド(クラウドサービス、クラウド・コンピューティング)」とは、サーバーやソフトウェアなどのサービスが、クラウドサービスプラットフォームからインターネット経由で提供される形態のことを指します。
現在ではコンピューティング、データベース、ストレージ、アプリケーションをはじめとした、様々なITリソースのサービス提供が行われています。
クラウドサービスでは、必要な時に必要な機能へ簡単にアクセスすることができ、多様なITリソースをオンデマンドで利用できるようになっています。
クラウドの種類
昨今急速に普及したクラウドサービスですが、多種多様な構成や提供方式のサービスが登場しており、「実装モデル(クラウド環境をどのように構築しているか)」と「サービス形態(クラウドを使って何を提供しているか)」によって2種類に分類されています。これらは似たように使われることはあっても、指示している内容は全く異なります。一般的にはクラウド環境とは「実装モデル」のことを表すことが多いです。
実装モデル
- プライベートクラウド
- パブリッククラウド
- ハイブリッドクラウド
- マルチクラウド
サービス形態
クラウドのメリット
- イニシャルコストの抑制
クラウドサービスを利用することでハードウェア導入に伴う初期費用の軽減や、リソースの調達、メンテナンス、容量の使用計画といった煩雑な作業に多大な人的リソースを費やす必要がなくなります。抑えることのできた資金や人的リソースを新たなビジネスの実現に注力することが可能となり、ビジネスをよりスピード感をもって加速させることが出来るようになります。今後は今までのように自社内でサーバーを設置せず、クラウド上でインフラ環境を構築することが一般的になってくると予想されています。
- 運用コストの抑制
また、大手のクラウドサービスを利用することで、スケールによるコストメリットを享受することが可能で、運用のコストも大きく抑えることが可能です。通常ですと、ITシステムは本番稼働後に運用費が常に必要です。例えば、サーバー・ネットワーク機器の管理・交換費用や各種メンテナンスを行う人件費等が発生いたしますが、クラウド環境ではサービス提供ベンダーが費用を負担する場合が多く、ランニングコストの抑制が可能です。
- 事業のスケールがしやすい
事業規模やアクセス数に応じて柔軟にリソースの追加や削除が出来るのもクラウド環境の特徴です。クラウド環境を構成するリソースは提供ベンダーをの契約によってきめられていますので、必要に応じて契約変更などで対応が可能です。ハードウェアの追加発注などの各種調整にかかる手間が必要ないため、事業規模に合わせて変化させることができます。
クラウドのデメリット
- カスタマイズの制限
クラウド環境をベンダーが提供するプランや契約内容により、カスタマイズには制限がかかります。細かい指定やネットワークのチューニングという意味ではデメリットとなります。
- ベンダー依存リスク
単一のクラウドベンダーに依存してしまうと、他サービス・システムへの乗換えが困難になり、システムの柔軟性が失われる場合があります。ベンダー側で大規模なシステム障害を起こした場合、その影響を大きく受け社内システムが停止してしまうリスクも生じます。こういったリスクは大手外資系ベンダーでもシステム障害が起こっている例もあり、必ず認識しておくべきリスクとして忘れないようにしましょう。
今後の予測
このようにクラウドを活用する企業が増えてくれば、ネットワークエンジニアの仕事が減っていくと考えられます。その一方で、クラウドを扱えるクラウドエンジニアの需要が一気に高まってくると思われます。
そうした需要に対応するには、通常のITスキルに加え、クラウドサービスを使いこなすための知識やスキルを身につけることが必要になります。
なかでも、クラウドサービスとして有名なアマゾンのAWS(Amazom Web Aervices)やマイクロソフトのAzure、グーグルのGCP(Google Cloud Platform)のスキルへのニーズはより一層高まっていくと予想されます。
まとめ
時代の潮流にあわせて自社人材を育てるのも一つの手法ですが、従業員の自主性に任せるだけでは時代に取り残されてしまうと健全な危機感をお持ちの経営者様も多くいらっしゃいます。弊社のもとには、時代の先を見越し、こういったスキルに対応可能な人材を確保する目的でM&Aを戦略的に活用している企業様からの問い合わせも増えてまいりました
author ABNアドバイザーズ平岡